チルドレン・センター

ABA(応用行動分析学)で自閉症を療育

発達障害と通常級の支援

発達障害と通常級の支援


6年ほど前から、都内の教育委員会からのご依頼で、「支援アドバイザー」という役割として公立の普通級にお伺いさせていただいています。

ABAは、「ASD(自閉症スペクトラム症)だけじゃないのか」と思われている方もいると思いますが、教育の分野でも様々な研究をしています。

支援アドバイザーとしての初期は、すでに普通級に参加しているけれども支援の必要な児童たちの指導や、指導方法に関しての支援が多かったのですが、最近は、「通常級における特別支援」という形で、少人数ではない普通のクラスの中で、ABAの観点からご相談に乗ることが増えてきました。

お伺いしたその日から、きちんと指導環境(例:担任先生(国語の授業))と気になる児童の行動を観察させていただく時間をいただきます。(先生方は、その日に合わせて授業を変えてくださったり、様々な先生方が観察を可能するため、ご配慮いただくことが多いのです。この場を借りて御礼申し上げます。)

そしてここ数年で「発達障害」の理解や捉え方が大きく変わってきたと実感してます。

まず、先生方が「発達障害は甘えだ」と捉える方が急激に減りましたし、「発達障害は親のしつけがなっていないからだ」という方も減りました。

先生方に、「甘え」や「親のしつけが原因ではない」ということを理解されている児童達は、かなり楽になりました。

そして何より大切なのは「発達障害のある児童へ対する教員の支援」も「発達障害のある児童を一人でみる→悩む」から、「発達障害のある児童は、他の児童同様、学校全体で支援する」「発達障害のある児童がいる場合、専門職からのアドバイスをもらう、授業を変える」など、工夫をされている教員が増えたということです。

これは、私が昔、「発達障害のある」という診断名が独り歩きをしなくなり、「近視です」や「中耳炎になりやすいタイプです」などと同じレベルで話せるようになればいいのに、と考えていた理想に一歩近づいたかのように思います。

「発達障害でも対応はできるんだ!」「教えてあげられるんだ」と自信のある学校の先生方が増えたのだと思います。

学校の教育現場では、応用行動分析学ABAという言葉を知らなくても、良い教育をしていれば、発達障害を持つ児童を教育することに成功しています。

そして私たちBCBA®(認定行動分析士)は、なぜその学校の教育現場が成功しているのか説明することができます。

普通級にいる発達障害のある児童全員が、それぞれの良いところが伸ばせる学校が増えればいいなと思います。