ABA(応用行動分析学)で自閉症を療育

ABA(応用行動分析学)について

 

ABAとは?

 

ABA(Applied Behavior Analysis:応用行動分析学)は教育、スポーツ、企業コンサルティング、リハビリ、老年学などに幅広く活用されており、とりわけ自閉症児や発達障害患者の問題行動を改善するのに用いられます。アメリカではABAは44州で自閉症児の療育として保険適応されているほど評価されています。現在は全世界で自閉症児にABAが用いられ、欧米はもちろん、アジア圏にもABAの療育拠点が数多く存在しています。

2015年現在、全世界で約2万人のBCBA-D、BCBA(ABAの国際資格:詳しくは「プロが指導しないと意味がないABA」で説明します)の資格保有者がABAを用いて自閉症児を療育しています。

自閉症児に用いるABAはどんな方法?

 

ABAを用いた療育の一例を見てみましょう。たとえばここに、5歳の自閉症の子供がいるとします。冷蔵庫の前で決まって叫びながらジュースをねだっています。一体なぜこの子はジュースをねだるのに叫ぶのか、ABAではまずその原因探しから始まります。

のどが渇いている、つまり要求が理由で叫ぶ場合、一例として次の療育方法を行います。子供が冷蔵庫の前まで行った時、叫ぼうとする直前で「のどが渇いた」「ジュース」と言ってこちらから優しく話しかけるのです。そして、そのすぐあとにジュースを渡してあげます。今まで、叫ぶというコミュニケーション方法を取っていた子供は、叫ばなくてもジュースがもらえる、ということを学習します。さらに学習を徐々にステップアップさせていきます。最終的に子供が自ら「ジュース」という言葉を発して、ジュースがもらえるまで成長させていきます。もし子供が喋れない場合は言葉の代わりにジェスチャーを教えたり、iPad専用アプリを使ったりして、言語を使わない別のコミュニケーション方法も一緒に学習させていきます。

叫ぶ原因が「大人の気を引きたい」ということだってあります。この場合はABAの療育方法の一例として、叫んでいない時のみ子供と関わりを持つようにします。反対に叫んでいる時は関わりを持ちません。子供は叫ぶと関わってもらえないということを理解するようになります。そして叫ばなくても気をひくことができるということを学習するのです。

このように、「叫ぶ」という行動ひとつとってみても、その背景にあるものは、子供によってさまざまです。なんらかの要求があるのか、お母さんの関心を引きたいのか、伝えたいのに言語でうまく表せないのか。それとももっと別の原因からなのか。ABAを用いることで、その行動を起こす原因が何なのか、そしてどのような療育をとればいいのかが見えてきます。

プロが指導しないと意味がないABA

 

ABAと同じぐらい重要になるのが、そのデータをもとに療育していくABAセラピストたちです(ABAを行う指導者のことを、一般に「セラピスト」と呼んでいます)。どんなに有効的な療育でも、それを正しく行わなければ、自閉症児の問題行動を直すことはできません。1998年に米国で設立された行動分析士認定協会(BACB)では、正しくABAが行われるよう、セラピストに同協会が認定する国際資格の取得を義務付けています。資格の種類はBCBA-D(協会認定行動分析士・博士号)、BCBA(協会認定行動分析士・修士)、BCaBA(協会認定準行動分析士)、RBT(登録行動テクニシャン)と4つのレベルがあります。それぞれ受験資格が異なりますが、全ての資格において学位と実習が必要となります。ABAを正しく行い、本当の効果を得るには、いずれかの資格を取得していなければいけません。

ABAは自宅でもできる?

 

日本では残念ながらABAが受けられる療育機関が数多くありません。しかし、近隣にABAを受けられる療育機関がないお子さまでも、セラピストがそれぞれのお子さまに合ったプログラムを作成することで、自宅でもABAの療育はできます。ここでの大事なポイントは、このプログラムが有資格者のセラピストによってつくられたものであることです。セラピストはまずお子さまと複数回、直接会ってコミュニケーションをとります。そのお子さまの抱える問題を正しく理解し、適切なプログラムを作成しています。保護者はそのプログラムに沿って自宅で療育を行います。

ABAが目指すもの

 

ABAの目的は、お子さま本人と保護者、さらには関わるすべての方々の生活が改善することです。私たちはこれを「社会的妥当(応用)性」と呼んでいます。本人の持っている力を100パーセント出せるまで成長していく、それがABAのゴールです。

 

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