チルドレン・センター

ABA(応用行動分析学)で自閉症を療育

【ABAセラピストの思うこと】子どもの「脱走」と「外出」の区切りはどこ?

【ABAセラピストの思うこと】子どもの「脱走」と「外出」の区切りはどこ?

こんにちは、ABAセラピストの三松です。
タイトルだけを見ると、自閉症のお子さんをお持ちのご家族、応用行動分析学に興味のある皆さんは「脱走!?うわぁ大変だ!(CV:きかんしゃ〇ーマス)」と感じられると思います。

脱走はお子さんの身の危険に関わりますし、もちろん読者の皆さんが感じられた通り大変なことなのです。
しかし、私が担当したお子さんのケースでは、外に行って「○○線乗りたい」「五○衛門でスパゲティ食べたい」という願望が増えました(ABAではこれを「要求が増える」といいます)。
実は「要求が増える」というのはとても前向きなことなのです。

ただ、最初は何も言わず外に出てしまったのです・・・

両親がお子さんがいないということに気が付かず、近所の人がお子さんを両親のところまで連れ戻してくれるという肝を冷やすような出来事がありました。
そうです、ようするに脱走とは、言葉より先に行動してしまうことが脱走ですね。

行動が先立ってしまったお子さんとはいえ、この一歩は大変意味のある一歩です。この一歩を大切にしないと・・・

そこでABA。

「脱走」を「外出」に近づけるため、お子さんには、必ず「外行きたい」と「言語化(つまり、言葉できちんと外に出たいという意思を伝え)」させるように学ばせました。
言語で言えたら、ABAセラピストも両親も、即外出に応じるとお子さんと約束しました。

ABAセラピー半月ほどで、なんとお子さんから言語で「公園行きたい!」「○○線乗りに行きたい!」など、行動する前に、上手にお話ししてくれるようになり、とても感動しました…!
今は脱走ゼロです。両親はお子さんの好きな場所にお出かけしています。

外に出たいという意思が芽生え、そして今度は言葉を使ってきちんと言葉で伝えてくれるおかげで、「脱走」ではなく「外出」という行動に変わりました。

初回無料ご相談でも保護者が脱走と言われる行動について、その時から実践できる対応方法をお話しています。
さくら