チルドレン・センターでは、いつも同じ担当セラピストだけでなく、代行のセラピストが支援に入ることもあります。
今回ご紹介するのは、そんな代行セラピーの現場で、あるお子さんと出会い、思わず感動してしまったお話です。
着替えの練習中だったお子さん
そのお子さんはセルフヘルプ「お着替え」の練習に取り組んでいました。
事前に、スーパーバイザーとも共有できるように指導中にビデオを撮影しています。お着替え練習をするために普段やっている行動を見せてもらうベースラインの動画(介入前の行動の様子)を見せてもらいました。
動画は、私が代行として訪問する約4ヶ月前のものでした。
その動画では、保護者が「着替えて」と声をかけても、お子さんは着替えず、10分以上保護者の後を追いかけている様子が映っていました。
そして迎えた当日
いよいよ、私が代行セラピストとして伺った日のセラピーが始まりました。
お着替えの時間になり、「お母さんと一緒にお着替えの練習をしよう」と声をかけ、お子さんと保護者のもとへ。
その日の目標(ターゲット)は、
保護者が着替えだけを用意し、あとは音声の指示だけで、お子さんが1人で着替えるというものでした。
担当のセラピストが変わるとお子さんの行動も変わるケースもあります。 環境の変化から行動が一時的に戻ってしまうこともあります。
驚きのビフォーアフター!
たった4ヶ月前とはまるで別人!
担当のセラピストが変わるという環境があったのにも関わらず、保護者から音声の指示が出て、お子さん1人で着替えていました…!
その裏には段階的な支援が
もちろん、ここに至るまでは、担当セラピストによる丁寧な支援がありました。
練習の流れは、以下のように少しずつステップアップしていたそうです。
- 着替え全てを保護者がやる
- 最後のズボンを太ももからお子さんがあげる
- ズボンのみお子さんが履く
- トレーナーとズボンはお子さんが履く
- 上だけ脱がせ、あとはお子さんが着る
- 着替えだけ準備して全てお子さんが着る
その内容は事前に引き継ぎ資料としてもらっていたものの、4ヶ月前のベースライン動画での様子を見ていた私は、実際に目の前で自立した姿を見るまでは、内心ドキドキをしていました。
おわりに:小さなステップが大きな自信に
たった一回のセラピーで、私はこのお子さんの「Before/After」を実感し、大きな感動を覚えました。
ABAセラピーでは、一歩ずつの積み重ねが確実に「できた!」という自信と行動の変化につながります。
そして、そのプロセスを丁寧に支えることで、お子さんは自分の力でできることをどんどん増やしていきます。
これからも、一人ひとりのお子さんのペースに合わせて、「自分でできた!」という喜びを一緒に育てていきたいと思います。