動画を終わりに出来ないお子さん|動画視聴をやめられない行動へのABAセラピーの事例

動画を終わりに出来ないお子さん|動画視聴をやめられない行動へのABAセラピーの事例

動画を見ることを終わりにできないお子さんのケースをご紹介します。

このお子さんは、「動画を終わりにするよ」と声をかけると、音声でのコミュニケーションはなく、クレーン行動で要求をしていました。
それでも「もう終わりだよ」と伝えると、動画が見られるまでタブレットを追い続け、最終的には動画が見られないと泣く行動にまでエスカレートしてしまう様子が見られました。

目次

音声コミュニケーションの確立

クレーン行動での要求が多かったため、まずは音声コミュニケーションを確立することを目標にしました。

要求があるときには、必ず言葉で伝えられるように練習を進めました。
音声でのコミュニケーションが安定してきた段階で、次のステップとして**FCT(Functional Communication Training:機能的コミュニケーション訓練)**を優先してABAセラピーを行いました。

FCT(機能的コミュニケーション訓練)

FCTでは、子どもが適切なコミュニケーションで要求を伝えたときには、必ずその要求に応じます。

例えば「もっと見たい」と言えたときには、その要求に応じて動画を見ることができるようにしました。

このようにFCTを優先しながらABAセラピーを進めていき、ABAセラピストがプロンプト(成功するためのお手伝い)をしなくても、お子さんから自発的に言語でのコミュニケーションができるようになりました。

この自発的なFCTができるようになるまで約2年かかりました。

時間のルールを作る

自発的にFCTができるようになった後は、勉強の時間と休み時間という時間の区切りを作りながらABAセラピーを進めました。

「勉強の時間だよ」と伝えると、動画を終わりにすることができ、タブレットがなくても落ち着いて過ごすことができるようになりました。

また「見たい!」とお子さんから要求があった場合でも、「休み時間に見ようね」と説明すると、何度も動画を要求することはなく、課題に取り組めるようになりました。

余暇スキル・プレイスキルの練習

ABAセラピーではFCTを優先して進めますが、それだけを行うわけではありません。このお子さんの場合は、動画以外の余暇スキルやプレイスキルの練習も行っていました。

その中でも特に楽しんでいたのは、シールを貼る活動でした。

ケースのまとめ

言語コミュニケーションが増え、できることも増えていきました。

お子さんが動画以外の活動にも取り組めるようになり、日常生活の中での過ごし方が広がった、とても良いケースとなりました。

この記事を書いた人

インフィールドフライ インフィールドフライ チルドレン・センター / FA専門員

登録行動テクニシャン®(RBT®)


チルドレン・センターにて、応用行動分析学(ABA)に基づく支援に従事。子ども一人ひとりの特性を丁寧に捉え、行動データに基づいた支援を行っている。特に問題行動への介入においては、客観的なデータを用いた分析と実践的なアプローチを得意としている。落ち着いた関わりと細やかな観察力により、子どもたちとの信頼関係を築きながら支援を行っている。指導をしている時間のその先の、子どもの将来をいつも考えてくれている。野球観戦が趣味。

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