こんにちは、ABAセラピストのおせんべいです。
自閉スペクトラム症のお子さんがパニックを起こしたときにはどうしたらよいの?というご相談をよく受けます。
みなさんはパニックを起こしたことはありますか?
わたしの話ですが、昨年9月のABAI(国際行動分析学会)での大事な発表前日に、
なんとスーツのズボンを持ってくるのを忘れたことに気づいてパニックを起こしてしまいました。
パニックは自分の予期していないことが起こったときに誰にでも起こり得ます。(わたしの場合は自分で引き起こしていますが。。。)
わたしが担当しているお子さんで
失敗するかも・・・
思った通りに出来ない!
というときに、決まってパニックを起こしていた子がいます。
彼と国語の勉強をしていたときに、問題が少し難しかったのか、
どんどん焦りはじめ、声が震えてパニックを起こしました。
彼が置いたと思ったおもちゃがなかった時もパニックを起こしたこともありました。
こんな時にはどのように対応していますか?
ついついパニック中に、どうしたの?大丈夫?などと慌てて声をかけていないでしょうか?
もちろん、それも一つ正解です。
ただ、わたしと彼との間では違ったアプローチを取りました。ABAを用いたアプローチです。
それは、
「パニックになった時はわたしにどうしてほしいか、落ち着いて言ってくれないか?」
と約束してもらったのです。
例えば、「この問題がわからないので教えて」とか、「○○がなくなったから一緒に探して」など、言葉で言ってもらうようにしたのです。
当然ながら、始めは声を震わせたまま、まんま上記のような言葉をぎこちなく言っていました。
でもそれが少しずつ声のトーンも落ち着いて話せるように成長していきました。
なぜ成長したのか。
それは言葉で助けを伝えると、彼にはいい結果が待っていたのです。
勉強がわからない時は、助けてくれる。
おもちゃがない時は、一緒に探してくれる。
得をするということがわかると子供はどんどん成長します。
今の彼はと言いますと、ふとした時に声が震えることはありますが、落ち着いて話せるようになりました。
この子はパニックを起こさないように成長したんだなと心から思いました。
ちなみに私が起こしたパニックは、深夜にも関わらず、チルドレン・センター代表の松田さんに電話をかけて、ヘルプを求め、なんとか落ち着きを取り戻し、次の日の発表に臨んだのでした。
ズボンはどうしたかって?持っていっていたズボンの中からジャケットに合いそうなものを選んで、ホテルの部屋にあったアイロンを必死にかけてしわをとったのでした。