チルドレン・センター

ABA(応用行動分析学)で自閉症を療育

ABAセラピストのシャドーでの一コマ

シャドーは保護者と離れて学校という社会の中でのお子さんの新たな一面が見られることが多いので、私はとても面白いなと思っています。
そんなシャドーでの一コマをご紹介します。

ある小学校での図工の時間。
課題は「私の好きなワンちゃん」の絵を描くものでした。

シャドーに入っているお子さんは犬を描き終え、
「いつも遊んでいるリングも描こう」と描き始めました。
赤でところどころ黄土色のリング。
私が「最後まで描けてえらいね。赤と黄土色のリングも上手」と話しかけると、
「ちがうよ、黄土色のこれは噛んでむしっちゃったところだよ!」と教えてくれました。
その発想の斬新さと「むしっちゃった」という表現に私は思わず笑ってしまいました。
「そうだったんだ、よく考えて描けたね」と言うと、得意げに「半分くらいはむしられちゃったかな!」と。

シャドーが終わった帰り道、そういえば4月のはじめは図工が始まると毎回「難しすぎるよ!」と涙目になっていたことを思い出した。

日々ターゲットは変わっていくから時々最初の頃のことを忘れてしまいそうになるけれど、成長したなぁと感じた一コマでした。