チルドレン・センター

ABA(応用行動分析学)で自閉症を療育

指導が終わるということ

指導が終わるということ

ABAでは、それが私費でも公費でも、終了を念頭において指導を開始します。

もちろん、何をもって指導を終了とするのかは、各エージェンシーによって異なります。

今回は、チルドレン・センターでの「卒業に関して」ちょっとお話しします。

お子さんがチルドレン・センターに来てくれたのは幼稚園の頃でした。その時は、相手に伝わるコミュニケーションがとても少ないため、欲しいものがある時にもイヤなことがある時にも、言えずに泣いたり、相手をつかんだりする事もありました。適切に遊べるものが無くて、お部屋の中を動いて過ごすこともありました。そのため、生活の場面で大変だと感じることが多く、ABAの指導を受けようと来てくださったのです。

指導を開始して、要求を言語で伝える練習をしました。やりたいことを言う、欲しいものを言う、イヤと言う、それらが叶うことで、言語で伝える頻度が増加していきました。指導者と練習ができるようになったら、お母様ともコミュニケーションの練習を開始しました。最初は、お子さんの行動に合わせて、驚いたり慌ててしまったりしていたお母様も、毎回保護者トレーニングに参加してくださり、徐々に上達され、お子さんに要求がある時には、お母様と練習ができるようになりました。大人の関心が欲しくて寝転がってしまう、大きな癇癪を起すこともありましたが、ご両親と一緒に減らしたい行動の練習と適切に関心をひく練習をし、ご家庭でも実践していただきました。ご両親が実践できるようになることで、指導以外の場面でのお子さんの不適切行動が減り、適切行動が増加していきました。ご家庭での困りごとが減ってくると、ご両親が習い事を探してくださって余暇が充実したり、一緒に好きな食べ物の買い物に行けたり、お母さまと宿題ができたり、学校や習い事の準備の仕方を練習できたり、お子さんの生活の中でできることが増えていきました。指導に行くたびに、大変なことがメインのご報告から、楽しそうな日常のご報告になっていくことが指導者としてもとても嬉しかったです。お子さん自身も、食べたい軽食を自分ですすんで用意したり、大好きな習い事の準備をものすごい速さ実施したりと、素晴らしい小学生になりました。

ABAの指導は終了です。

これからは、ご家庭や学校を始め、お子さんが関わる社会の中で様々な経験をし、練習をして成長されていくと思います。

ずっと応援しています。