〜Aさんのケースより〜
ABAセラピーを受けているお子さんで、「キーーー!」と叫ぶような行動が続いているというご相談をいただきました。
保護者の方に詳しくお話を伺い、「どのような場面で叫ぶのか」「叫んだあとはどんな反応をしているのか」を一緒に確認していきました。
どんなときに叫ぶのか?
以下のような場面で、よく叫ぶとのことでした。
- 保護者と他者が話しているとき
- 電車などの乗り物が走っているとき
- 高い場所に登れたとき
- 音が反響しやすい場所にいるとき出ている
叫んだあとの保護者の対応について
保護者の方は関心引きだと思って、あえて反応をしないようにしていたとのことでした。
ABAでの対応
「キーーー!」と叫んでいることに対して、「うるさい!」「叫ばないで!」と反応することはしませんが、叫ぶ代わりの行動を教えていくことが大切です。(お子さんの行動機能によって、様々な対応があります。)
保護者と他者が話している時(内容がそのお子さんにとって悪いことだった場合)
「言わないで」とまずは大人のみが言い、応じてその話題は出さない。
電車などが走っている時
「電車来たー!」「かっこいいー!」など、まずはコメントのみする。
高い場所に登れた時
「たかーい!」「見てー!」など、まずはコメントのみする。
音がよく反響する場所にいる時
「やっほー!」「響くねー!」など、まずはコメントのみする。
1週間後の変化
保護者にABAでの対応をお願いしてから、1週間後に保護者からこのようなお話がありました。
叫ぶ代わりの行動を保護者が行うと、お子さんの叫び続ける行動が収まるのがが早くなったそうです。
まとめ:叫ぶことの背景には「伝えたい気持ち」がある
自分の悪口を目の前でされたら、悲しい気持ちになりますし、なんでそんなこと言うのよ「キーーー!」と叫びたくなる気持ちも理解できます。
まずは「イヤだよ」「言わないで」など、自分の気持ちや要求を言葉で伝える練習から始めていきましょう。そして、要求言語が自発的に出るようになったら、口論出来るように会話のスキルなどを練習していきます。
お子さん一人ひとりのペースに合わせて、言葉の力を育んでいきましょう。
