チルドレン・センターでとあるお子さんのABAセラピー初日の出来事です。
そのお子さんのプログラムを作成するために、まずはVB-MAPPのアセスメントを取ります。
その初日、セラピストが遊び誘っても、ほとんど拒否されてしまいました。
まず言語活動がかなり少なく、全然喋ってくれない、おもちゃで遊ぼうと誘っても見ているだけでやらない、遊び方を真似させようとしても、手を振り払われ、全て拒否でした。動かざること山の如し。
チルドレン・センターのスーパーバイザー(協会認定行動分析士®)がプログラムを作成し、いざプログラムを開始しました。
ここから、他者と関わると楽しいことあるぞ、嫌なことをやらせるわけではないということを分かってもらうために、お子さんの嫌悪刺激にならないよう、音声を求めない、遊びのハイライト、一番の見せ場、楽しいところをどんどん提示していきました。
そこから1か月後、
一緒におすすめの仕掛け絵本を読んでいる時でした。
セラピストが本をめくって読んでいたら、いつもだったら、見ているだけのお子さんが次のページを早く見せろ!と手でめくってきたのです。なので、第一声がつい「ちょ、力つよ!」と、まさかめくるとは思わなかったことと意外な力の強さに驚いてしまいました。
その時に、こちらの心底驚いた表情を見て、お子さんがにやりと表情を変えたのです。
そこから、私のヘンテコなリアクションをお気に召してくれたのか、そこから、お子さんがけらけら笑いだしてくれました。
お子さんの言うべき言葉、「ちがーう!(本のページが)」と言いながら、めくると、なんと「ちがう」と音声模倣をしれっとしてくれたのでした。
その時の胸の高鳴りを忘れられません。
以上、ABAセラピストのインフィールドフライでした。