こんにちは、ABAセラピストのインフィールドフライです。
動き回るお子さんについて、ABAで理由を調べて行きましょう。
よく、指示が入らない、言葉、人の言っていること分かっていないのかな?と保護者からご質問があります。
チルドレン・センターでABAセラピーをしていたお子さんで、こんなケースがありました。
<Tくんのケース>
いざお勉強をやろうとすると、指示を出したと同時に逃亡。
ABAセラピーで大切なABC記録、お子さんが逃亡した時の記録を見て行きます。
・介入前
A(先行条件) :会話のお勉強「今日学校で何の勉強した?」
B(お子さんの行動):笑って逃亡
C(結果) :大人「もー、ちゃんとお勉強するよ。来て」、Tくん部屋をぐるぐる走り回る。大人がTくんのところに行き、手を繋いで連れてくる。
C(結果)で、どうなっているかと言うと、Tくんが動き回った後に人の関心(目線、言葉、身体接触)を貰うことが出来ています。
このTくんの動き回る行動の機能は【関心引き】です。
【関心引き】なので、結果の関心を抜きます。
今までもらっていた関心を抜くので、なんでこんなにしているのに反応してくれないの!?とお子さんから色んな問題行動が出ます(消去バーストが起こります)。
・介入後
A(先行刺激) :会話のお勉強「今日学校で何の勉強した?」
B(お子さんの行動):笑って逃亡
C(結果) :大人、Tくんの方を見ない。言語で反応しない。連れ戻さない。
すると、Tくん部屋を動き回る。笑う。大きな声で独り言を言いながら動き回る。
これなら反応するだろうと動き回る行動の他にも笑うなど色んな行動が出てきました。
ここで「なんで笑っているの?笑」「なんか面白いことあった?」「うるさいよ~」などツッコミたくなるところですが、ツッコミません。
何の行動(適切行動)をしたら、大人からの関心を貰えるのか、不適切行動では関心は貰えないと、分かって頂きます。
Tくんが動き回る行動を続けること、10分間。なかなかしぶとく、動き回って疲れないのかと心配しています。タフですね。対応するこちらも依然として介入を変えずに反応しないように沈黙を続けています。
そして、驚きの結末を迎えます。
Tくん、「戻ってきて、お勉強やるよ」など再度言わなくても、戻ってきたのです…。
そこで戻ってきたことを褒めて「今日学校で何の勉強した?」と聞くと、「算数」と完璧な回答をしていました。素晴らしいです、何か聞かれたのかちゃんと分かっています。
動き回る行動について、なぜ動き回るのか理由、機能分析をして、それに合った介入をすると行動を改善することが出来ました。
いつもABAセラピー中で、劇的ビフォーアフターを体験させてもらっています。