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ABA(応用行動分析学)で自閉症を療育

ABA(応用行動分析学)を用いた療育とその方法とは?【ABA国際資格者が解説】

ABA(応用行動分析学)を用いた療育とその方法とは?【ABA国際資格者が解説】

子どもの発達障害や自閉症にはさまざまなアプローチがありますが、その中でもABA(応用行動分析学)を用いた療育は非常に効果的な方法として知られています。

私たちは指導者全員がABAの国際資格を持ち、確かな知識と豊かな経験で、これまで1000人以上の子どもを指導してきた実績があります。(2020年現在)

保有資格は、協会認定行動分析士-博士®(BCBA-D®)協会認定行動分析士®(BCBA®)協会認定準行動分析士® (BCaBA®)、そして登録行動テクニシャン®(RBT®)です。​

できるだけわかりやすく、ABA(応用行動分析学)の基本的な概念とABA(応用行動分析学)を用いた療育の手法や具体例を解説しますので、ぜひ最後までご覧くださいね。

また、ABA(応用行動分析学)療育を受けられる機関や場所についても解説しています。

ABAとは?

ABAは、「Applied Behavior Analysis」の略称です。日本語では「応用行動分析学」と呼ばれます。

人を含むすべての生物が、行動を起こす際には、何かのきっかけがあることは、皆さんご存知ですが、実は、その行動の直後におきることが、その行動の増減に影響します。

その行動の前後を分析し、前後の環境に工夫をすることで問題行動を解消していくことがABA(応用行動分析学)の根幹です。ABA(応用行動分析学)は教育やスポーツシーン、リハビリなど様々な分野で幅広く活用されており、とりわけ自閉症児や発達障害患者の問題行動を改善するのに用いられています。

ABA(応用行動分析学)を用いた療育とは?

それでは、ABA(応用行動分析学)を用いた療育とはどのようなものでしょうか。

療育(りょういく)とは、子どもの発達や学習における課題や困難に対して、専門のプロフェッショナルが治療を行うことです。

療育においてABA(応用行動分析学)を用いることで、子どもの行動を理解し、望ましい行動を増やし、問題行動を減らすための働きかけを行います。

ABA療育の手法と具体例

ABAを用いた療育では、アセスメント(査定)をとります。

まず正確なデータ収集を行うことで、目標行動の進捗や問題行動のパターンを把握し、適切な介入を行うことができるようになります。また、望ましい行動が現れたときには、褒め言葉や小さな報酬を与えることで、子どもたちは良い行動を継続する動機を持つようになるのです。

このデータ分析と適切な働きかけによって、子どもたちは望ましい行動を学んでいくことができます。

代替行動としてのマンドのグラフ
代替行動としてのマンドのグラフ
指導中の泣きの回数の軽減
指導中の泣きの回数の軽減

ABA(応用行動分析学)療育の効果

ABA(応用行動分析学)療育を行うことで、実際に効果が出るのか不安な方も多いと思いますが、心配はありません。

ABAを用いた療育の効果は科学的に実証されています。

多くの研究において、ABA療育が子どもの学習や行動の改善に非常に有効であることが示されています。(※参考参考参考)

ABA療育を受けた子どもたちは、コミュニケーション能力や自己管理のスキルの向上、社会的な関与の増加などの成果を上げることができます。また、ABA療育は家庭や学校での支援にも応用され、子どもの成長をサポートしているのです。

ABA療育を日常生活で実践するには?

よく「ABA療育は自宅で行えますか?」と聞かれることがあります。

結論から言えば、自宅でもABAの療育は可能です。

ただし、国際資格のある指導者がそれぞれの子どもに合ったプログラムを作成していることが大切です。自宅や療育機関以外の場所でABAを行うときは、必ず専門資格保持者が作成したプログラムに沿って療育を行ってください。

ABA(応用行動分析学)を受けられる機関や場所は?

応用行動分析(ABA)の支援を受けたり、ABA療育のサービスを利用するには、ABAを用いた療育サービスを提供する機関や団体を探す必要があります。

昨今、こういった療育機関や団体は増えてきていますが、まだまだ少ないのが現状です。近所にないケースも多いため、出張療育サービスや保護者向けのセミナー、通わなくてもOKな療育トレーニングなどを利用するのも一つです。

ただし、機関や団体によって方針やスタッフの専門性などに差があります。特にABA(応用行動分析学)に精通したスタッフが在籍しているかどうかは、念入りに確認すべき重要なポイントです。

ABA(応用行動分析学)は望ましい行動の形成を促す

いかがでしたか?

ABA(応用行動分析学)を用いた療育は、発達障害または自閉症児の発達や学習の支援において、非常に効果的な方法です。

ABA(応用行動分析学)は、その基本原則と手法によって子どもの成長をサポートし、望ましい行動の形成や問題行動の削減を促します。

我々が運営するチルドレン・センターでは、ABA国際資格を持つ指導者が、子ども一人一人に合わせてプログラムを作成・療育しています。また保護者の方や学校・園の先生方と協力した療育も行なっています。

発達障害や自閉症の子どもと接する大人にとっては、色々なシーンにおいてどう接するべきか、適切な環境はどのようなものなのか、悩みや疑問がつきません。そのような時にこそ、ABA(応用行動分析学)によってヒントが生まれ、正しいアプローチを行うことができるのです。

この記事を書いた人

profile

松田 幸都枝(まつだ こずえ)

認定行動分析士 (博士)(BCBA-D®)​
米国ニューヨーク州 行動分析士
チルドレン・センター 代表取締役
Pepperdine大学大学院 准教授

豪州シドニー大学教育学部初等科、特別支援学部卒業後、豪州、イギリス、オランダなどで特別支援および普通学級などで勤務。米国の大学院にて、博士(応用行動分析学)課程を修了。2008年、株式会社チルドレン・センターを設立。全従業員 国際資格保有。チルドレン・センターのスタッフとともに、日本、米国、およびアジア諸国にて、家庭や学校内でのABA指導およびスーパービジョンを務める。2016年より大田区の特別支援アドバイザー就任。2020年よりペッパーダイン大学大学院 心理学部の准教授として指導。著書に「小児科医に知ってほしい応用行動分析学(ABA)について」(小児内科/ 東京医学社)
、Culturally Tailored ABA: Treatments for Asian American Clients and Families. Multiculturalism and Diversity in Applied Behavior Analysis. Bridging Theory and Application (Routledge社) などがある。

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